Bプレミア26クラブの社長一覧。売上上位4クラブの社長は、どんなキャリアを歩んできたか

Bリーグで、大きな発表が続いた。10月13日には2025-26シーズンのクラブ決算が発表され、リーグとクラブを合わせた営業収入が初めて1,000億円を超えた。10月20日には、2028-29シーズンのB.PREMIERのクラブライセンス判定が発表された。

B.PREMIERは、競技成績による昇降格ではなく、入場者数や売上、アリーナといった基準でクラブの所属が決まるリーグだ。勝つことと同じくらい、クラブを経営として伸ばせるかが問われる。

では、稼いでいるクラブを率いているのは、どんな人たちなのか。B.PREMIERの26クラブの社長を一覧にし、営業収入の上位4クラブの社長が歩んできたキャリアをたどる(2026年10月26日時点)。

リーグ全体の営業収入(2025-26)
1,013億円
B1クラブの平均営業収入
26.7億円
元プロバスケ選手の社長
6人/26人

B.PREMIER 26クラブの社長一覧

まずは26クラブの社長を一覧で見ておく。「売上上位4」の印は、2025-26シーズンの営業収入が上位4位までのクラブだ。

クラブ 社長 就任 主な経歴 経路
レバンガ北海道 折茂武彦氏 2011年 トヨタ自動車などでプレー → 2011年にクラブを創設し代表に 創業者(元選手)
仙台89ERS 志村雄彦氏 2020年7月 東芝、仙台でプレー → 取締役GM クラブ内から(元選手)
秋田ノーザンハピネッツ 水野勇気氏 2009年 国際教養大学で学び、2009年に運営会社を設立 創業者
茨城ロボッツ 川﨑篤之氏 2024年7月 国会議員秘書、水戸市議会議員 → グロービス → クラブへ出向 親会社・オーナー企業から
宇都宮ブレックス
売上上位4|40.4億円
藤本光正氏 2020年7月 リンクアンドモチベーション → 2007年のクラブ設立に参加 → 取締役、副社長 クラブ内から
群馬クレインサンダーズ 阿久澤毅氏 2020年7月 高校教諭(野球部監督)→ 2020年からクラブ運営に参加 外部から
アルティーリ千葉 新居佳英氏 2020年 インテリジェンス → アトラエ創業 → 水戸ホーリーホック取締役 創業者
千葉ジェッツふなばし
売上上位4|59.0億円
佐藤博紀氏 2026年7月 クラブの初代主将 → 引退後に入社、GM、取締役など クラブ内から(元選手)
アルバルク東京
売上上位4|92.4億円
林邦彦氏 2016年6月 三井物産 → 三井物産フォーサイトでプロ野球球団のスポンサーシップ・マーケティング業務 → 出資企業の三井物産グループから出向 親会社・オーナー企業から
東京サンロッカーズ 神田康範氏 2024年6月 ブリヂストンスポーツ、サニーサイドアップ、本間ゴルフ、HONDA ESTILO(執行役員)→ 福岡・熊本のクラブで社長兼GM 外部から
川崎ブレイブサンダース 川崎渉氏 2023年6月 A.T.カーニー → DeNA → 東京ヴェルディ、名古屋グランパス、FC東京 → DeNAから出向 親会社・オーナー企業から
横浜ビー・コルセアーズ 原毅人氏 2026年7月 プロ選手 → 横浜BCユースコーチ(2016-17)→ 楽天グループ → 滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)社長 外部から(元選手)
信州ブレイブウォリアーズ 木戸康行氏 2023年6月 日商岩井 → 起業、投資・証券会社の役員 → ベンチャーキャピタル代表 外部から
富山グラウジーズ 𠮷田朋美氏 2026年9月 バークリー音楽大学(音楽ビジネス・マネジメント専攻)卒 → 歌手として活動 → 富山県黒部市でヤギチーズ職人 → 有限会社吉田興産 取締役 → 2025年にクラブ社外取締役 外部から
三遠ネオフェニックス 岡村秀一郎氏 2025年3月 親会社のオーエスジー(前身の実業団チームの母体企業)で営業、企画、人事総務を担当 親会社・オーナー企業から
シーホース三河 佐古賢一氏 2026年6月 元日本代表選手、広島・北海道のHC → 三河で取締役など クラブ内から(元選手)
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 東野智弥氏 2025年7月 各クラブのコーチ・HC → 日本バスケットボール協会 技術委員長 外部から
滋賀レイクス 木村弘志氏 2026年7月 丸紅 → 2008年にクラブ入社、取締役 → 自身の会社の経営 → 社長として復帰 クラブ内から(復帰)
京都ハンナリーズ 松島鴻太氏 2022年7月 ラグビーのトップリーグ(コカ・コーラレッドスパークス)に所属 → 経営母体の一社、マツシマホールディングスの常務取締役 親会社・オーナー企業から
大阪エヴェッサ 磯村英孝氏 2024年3月 ヒューマングループ各社の役員を歴任 親会社・オーナー企業から
神戸ストークス 渋谷順氏 2023年 親会社スマートバリューの代表執行役社長が兼務 親会社・オーナー企業から
島根スサノオマジック 榎本幸司氏 2025年4月 バンダイナムコエンターテインメント 経営企画部GM → クラブ取締役 親会社・オーナー企業から
広島ドラゴンフライズ 浦伸嘉氏 2016年 新潟アルビレックスでプレー → スポーツマネジメント会社を設立 外部から(元選手)
佐賀バルーナーズ 田畠寿太郎氏 2021年6月 佐賀市内の企業の取締役 → 2020年にクラブ運営に参画 外部から
長崎ヴェルカ 伊藤拓摩氏 2023年1月 アルバルク東京のHC → 2020年のクラブ立ち上げにGM兼HCとして参加 クラブ内から
琉球ゴールデンキングス
売上上位4|38.6億円
仲間陸人氏 2025年7月 2012年にインターンとして参画 → 入社、事業全般を統括 クラブ内から

2026年10月26日時点。スマートフォンでは表を横にスクロールできます。就任時期のうち、創業者は運営会社の設立年・クラブ創設年

Bリーグは、この10シーズンでどれだけ伸びたか

社長たちの話に入る前に、彼らが率いるクラブの事業規模を確認しておく。Bリーグが公開している10シーズン分のクラブ決算を並べると、成長の大きさがわかる。

  • リーグ全体の営業収入:2025-26シーズンは1,013億円(前年比25.1%増)。初めて1,000億円を超えた
  • B1クラブの平均営業収入:2016-17シーズンの6.4億円から、2025-26シーズンは26.7億円へ。約4.2倍
  • 営業収入が最も多いクラブ:2016-17シーズンは11.7億円、2025-26シーズンはアルバルク東京の92.4億円
  • 入場者数:2025-26シーズンは612万人(B1〜B3の合計、オールスターとポストシーズンを含む)
2016-17
6.4億円
2017-18
8.1億円
2018-19
9.2億円
2019-20
9.3億円
2020-21
9.6億円
2021-22
11.2億円
2022-23
14.2億円
2023-24
18.3億円
2024-25
21.9億円
2025-26
26.7億円

B1クラブの平均営業収入(Bリーグ「クラブ決算概要」より)

開幕初年度、B1で最も稼いだクラブの営業収入は11.7億円だった。いまは、上位4クラブがいずれも38億円を超え、4クラブの合計は200億円を上回る。クラブはこの10シーズンで、数億円規模の興行から、数十億円規模の事業体へと姿を変えてきた。

その経営を担うのが、社長だ。

売上上位4クラブを率いる4人

2025-26シーズンの営業収入の上位4クラブと、その社長の経歴を並べる。

売上1位アルバルク東京92.4億円
林邦彦氏2016年6月(運営会社の設立時)に社長就任|親会社・オーナー企業から
  • 同志社大学を卒業し、三井物産に入社。ドイツ、ベトナムに駐在
  • 2012年、三井物産フォーサイトに出向し、プロ野球球団(広島東洋カープ、中日ドラゴンズ)のスポンサーシップ・マーケティング業務に携わる
  • 2016年、出資企業である三井物産グループから出向し、トヨタアルバルク東京の社長に
売上2位千葉ジェッツふなばし59.0億円
佐藤博紀氏2026年7月に社長就任|クラブ内から(元選手)
  • 順天堂大学を卒業後、大塚商会、大分ヒートデビルズでプレー
  • 2011年に千葉ジェッツへ。初代主将を務め、2014-15シーズンで引退
  • 2015年にクラブへ入社。GM、アカデミー部門の責任者などを務め、2020年に取締役、のちにパートナー(スポンサー)部門の責任者
  • 2026年7月に社長に就任。9月からはGMも兼ねる
売上3位宇都宮ブレックス40.4億円
藤本光正氏2020年7月に社長就任|クラブ内から
  • 早稲田大学を卒業し、2006年にリンクアンドモチベーションへ入社(営業・コンサルティング)
  • 2007年、クラブの設立に参加した創業メンバー
  • 2012年に取締役、2016年に副社長を経て、2020年に社長
売上4位琉球ゴールデンキングス38.6億円
仲間陸人氏2025年7月に社長就任|クラブ内から
  • 2012年、運営会社にインターンとして参画し、その後入社
  • 事業全般の統括を担い、運営会社と沖縄アリーナ株式会社の役員を歴任
  • 2025年7月に社長に就任。インターンから社長まで、およそ13年

営業収入は2025-26シーズン(Bリーグ「クラブ決算概要」より)

4人の入り口は、それぞれ違う

商社から出向してきた経営者。クラブの初代主将から、フロントを経てトップに立った元選手。人材・コンサルティング会社からクラブの創業に加わったメンバー。そして、インターンから社長になった人。売上上位4クラブの社長は、入り口がそれぞれ違う。

一方で、共通点もある。4人のうち3人は、クラブの中で長く経験を積んだのちに社長になっている。千葉ジェッツふなばしの佐藤氏は入社から約11年、宇都宮ブレックスの藤本氏は設立から約13年、琉球ゴールデンキングスの仲間氏はインターンから約13年だ。アルバルク東京の林氏も、2016年の運営会社の設立時から10年にわたって社長を務めている。

いずれも、クラブの事業が大きく伸びた時期を、クラブの内側で過ごしてきた人たちだ。

26人に広げると

26人全体を、社長になるまでの主な経路で分けると、次のようになる。

  • 親会社・オーナー企業から:8人(親会社や出資企業からの出向・兼務、またはグループ企業の役員)
  • クラブ内から:7人(クラブの選手・職員・役員として通算2年以上在籍したのち社長に。創設メンバーや、いったん離れて戻った人を含む)
  • 外部から:8人(クラブの外から招かれた人。他クラブの経営者や競技団体の幹部も含む)
  • 創業者:3人(運営会社を自ら設立した人)

元プロバスケットボール選手は6人。レバンガ北海道の折茂武彦氏、仙台89ERSの志村雄彦氏、千葉ジェッツふなばしの佐藤博紀氏、横浜ビー・コルセアーズの原毅人氏、シーホース三河の佐古賢一氏、広島ドラゴンフライズの浦伸嘉氏だ。

出身は、商社、コンサル、IT、メーカー

バスケットボールとは別の世界でキャリアを積んできた社長も多い。

  • 総合商社:アルバルク東京の林邦彦氏(三井物産)、信州ブレイブウォリアーズの木戸康行氏(日商岩井)、滋賀レイクスの木村弘志氏(丸紅)
  • コンサルティング・人材:川崎ブレイブサンダースの川崎渉氏(A.T.カーニー)、宇都宮ブレックスの藤本光正氏(リンクアンドモチベーション)
  • IT・インターネット:アルティーリ千葉の新居佳英氏(アトラエ創業者。現在も同社CEO)、川崎氏(DeNA)、横浜ビー・コルセアーズの原毅人氏(楽天グループ)
  • メーカー・エンタメ:島根スサノオマジックの榎本幸司氏(バンダイナムコエンターテインメント)、三遠ネオフェニックスの岡村秀一郎氏(オーエスジー)

複数のスポーツ組織で要職を務めてきた人も

  • 東京サンロッカーズの神田康範氏:ライジングゼファー福岡、火の国サラマンダーズ(野球)で社長兼GM
  • 横浜ビー・コルセアーズの原毅人氏:滋賀レイクスターズ(現・滋賀レイクス)で社長
  • 川崎ブレイブサンダースの川崎渉氏:東京ヴェルディ、名古屋グランパスを経て、FC東京でマーケティング領域を統括
  • 名古屋ダイヤモンドドルフィンズの東野智弥氏:日本バスケットボール協会で技術委員長を9年

この2年で社長が代わったクラブも少なくない。2025年以降に社長が代わったクラブは、26クラブ中9クラブある。

ライセンス判定が示すもの

10月20日に発表されたライセンス判定では、2028-29シーズンのB.PREMIERについて、26クラブ中25クラブが継続して参加資格を認められた(1クラブは継続審議で、10月28日に改めて審議される予定)。

今回の継続審査には、アリーナの要件に加えて、平均入場者数と売上高の基準がある。主な基準は「平均入場者数4,000人・売上高9億円以上」、または「平均入場者数3,000人・売上高12億円以上」だ。入場者数と売上の基準を満たし続けられるかどうかは、毎シーズンの事業の数字にかかっている。

クラブの経営が、リーグでの居場所を左右する。経営を担う人の力は、これからも問われ続ける。

クラブ経営を支える人材

売上上位4クラブの社長は、商社、元選手、人材・コンサル出身の創業メンバー、インターン出身と、入り口はばらばらだった。共通していたのは、クラブの事業が大きくなる過程を、経営の現場で支えてきたことだ。

クラブの事業が数十億円規模になったいま、社長だけでなく、営業、マーケティング、事業開発、経営管理といった仕事で、経験を持つ人材の力が求められている。

注記

  • 社長は各クラブ運営会社の代表取締役社長(社長職を置かない場合は代表取締役CEO・代表取締役。アルティーリ千葉の新居氏は代表取締役CEO、大阪エヴェッサの磯村氏は代表取締役。資料により「代表取締役」と表記される人もいる)。2026年10月26日時点で、クラブ公式の発表、自治体の表敬訪問資料、報道などから確認した。
  • 経路の分類はSporpathによる。社長就任までの主な経路を基準とし、「クラブ内から」はクラブの選手・職員・役員として通算2年以上在籍した人とした。親会社・出資企業からの出向・兼務、またはそのグループ企業の役員にあたる人は「親会社・オーナー企業から」とした。親会社・出資企業からの出向・兼務にあたる人は、クラブでの在籍が2年以上でも「親会社・オーナー企業から」を優先した。富山グラウジーズの𠮷田氏が取締役を務める吉田興産とクラブの資本関係は、公表資料では確認できなかったため「外部から」とした。複数の経路にまたがる人もいる。
  • 営業収入はBリーグ公表の各シーズンの「クラブ決算概要」による。クラブにより決算期が異なり(たとえばアルバルク東京は3月決算)、2016-17シーズンは一部クラブの決算期間が12カ月未満。運営会社が手がける事業の範囲もクラブにより異なる。
  • ライセンス判定はBリーグが2026年10月20日に発表した2028-29シーズンB.PREMIERの判定結果による。審査基準の「売上高」は、決算概要の「営業収入」とは定義が異なる場合がある。
  • 記載内容に誤りがあった場合は、Sporpath事務局(info@sporpath.com)までご連絡いただきたい。確認のうえ修正する。

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参考・出典